2009年 1月の記事一覧

09年01月21日 12時36分46秒
Posted by: landmhair
このブログはL&M hairのブログ【ソルトシの日記】から2007年09月20日(木)のブログを転載してます。

天然モノより加工モノ!?
このブログでは、普段お客様がなるべく使わないほうがよいモノを紹介してきました。
【高級アルコール系界面活性剤(ラウレス硫酸Naなど…)】【シリコン(ジメチコンなど…)】【せっけん(脂肪酸Naなど…)】の3点を使い続けると髪は決して良い方向には行かないと書いてきました。
ただ、髪に悪いモノばかり書いていても良いモノが何か分からなければいけないため今回はその点について書いていきたいと思います。
まず、世の中には色々な成分があります。髪に良いといわれる成分だけでもかなりの数になります。
その中で、どれが良いものなのかを見るうえで、L&M hairが気をつけてみているところは…【化学装飾】です!!

化学装飾とは…ある成分をより効果的にするために加工されたモノで、【カチオン化】【エステル化】【アルキル化】【シリル化】の4種類があります。

【カチオン化】… ペプチドの末端アミノ基を4級アンモニウムカチオン化することで、傷んだ毛髪への吸着性を高め、毛髪に柔軟性と帯電防止機能を付与するタイプです。
※分かりやすくすると、ある成分に+イオンの機能をつけて、-イオンに傾いたダメージ部分に吸着しやすくする加工

【アルキル化】… 油性成分を結合させること。アルキル化させたPPTは毛髪への吸着性が高まり、ツヤと柔軟性を与える効果がある。

【エステル化】… ペプチドの末端カルボキシル基をエステル化することで、アルコール可溶型としたタイプです。このたんぱく質は水に解けづらくエタノールやアルコールで溶解します。更に毛髪に入ったエタノール成分はたんぱく質を呼び込む作用も発揮します。

【シリル化】… シリル化PPTとはシリコンを結合させたPPT。熱を加えると毛髪に持続性のある皮膜を作り毛髪の櫛どおりを良くしツヤを付与する効果がある。
※分かりやすくすると、ヒートプロテイン(正確にはプロテインは分子量数万のことなのでPPTが正しい)のこと

例えば、よくシャンプーやトリートメントに使われるケラチンという成分ですが、同じケラチンでも分子量が数百~数万というように様々な種類がありますし(分子量に関してはブログ【サロンケアの重要性】をご参照下さい)
同じ分子量のケラチンでもカチオン化などの化学装飾を施したケラチンと化学装飾していないケラチンでは髪の吸着性が大きく変わります。
また、化学装飾と同じような意味合いで【誘導体】も見逃せいない点です。誘導体も上記の化学装飾同様、ある成分をより効果的にする加工です。
例えば、保湿成分で有名なヒアルロン酸ですが、ヒアルロン酸にアセチル基を用いたアセチルヒアルロン酸は、ヒアルロン酸の2倍の保湿性を持つヒアルロン酸誘導体です。
ただ、化学装飾と誘導体は一緒の意味と捉えられていることが多く一般的には化学装飾は誘導体の一種で考えられていることが多いのです。
例えば、ビタミンCはアスコルビン酸という成分ですが、酸化安定性が悪く分解しやすいため、ステアリン酸のエステル化で安定させたステアリン酸アスコルビル(ビタミンCステアレート)やパルミチン酸のエステル化で安定させたパルミチン酸アスコルビル(ビタミンCパルミテート)は一般的にはビタミンC誘導体と表記されます。

そして、最近は【両親媒性】も注目されています。

両親媒性とは…親水性・疎水性の両方の性質を持った媒体で、毛髪の内部も親水層・疎水層と両方の層があります。もし、ある成分が毛髪内部に浸透しようとする時、親水性の成分ですと疎水層で浸透しなくなり、疎水性の成分は親水層で浸透しなくなります。両親媒性の成分は親水層・疎水層に親水性・疎水性がうまく作用して毛髪内部に浸透します。
例えば、L&M hairで使っている成分では【ペリセア】【スピエラ】が両親媒性の成分です。
※ちなみに、両親媒性のモノは昔からあって、身近なモノですと石鹸などがあります(ただし、石鹸は補修効果はありません。詳しくは【自然派志向の落とし穴】をご覧下さい)

1つの成分をみた場合、例えばケラチンを比べるとき、分子量・化学装飾(誘導体)・両親媒性などの特性・特長を判断します。
たとえ、トリートメントなどにケラチン配合と書いていても低分子で化学装飾もされていないケラチンでしたら、シャンプーをしたときに流失しやすいのです。
また、ある成分が10%配合されていても、そのある成分の誘導体が5%配合してあったほうが場合によっては効果があります。

また、ヘマチンとケラチンタンパク質(架橋効果)、ペリセアとキトサン(内外補修)など相性の良い成分同士で、より相乗効果があります。

1つの商品(例えばシャンプー)をみた場合、成分表をみて成分の特長(濃度・化学装飾[誘導体]・その他特性[両親媒性など]・相互関係[相性]など)を見極めると同じような商品でも比べることができます。

成分を分析するのは大変困難ではありますが、上記の事を少しでも頭の片隅に記憶していただくと、○○エキス配合やケラチン・コラーゲン配合といった謳い文句でも、化学装飾などの加工もしていないプレーンなモノですと効果が少ないって言うのがわかると思います。
※プレーンなモノでも例外があって、加水分解されていないケラチン(L&M hairではケラテック[生ケラチン])は化学装飾の加工はされてはいませんが分子量が4万ダルトンと毛髪の分子量に近いため使用しています。

L&M hairでは、ホームケアのシャンプーやサロンケアのトリートメントなど上記の特長を見極めて使用するように努めています。
09年01月16日 17時09分18秒
Posted by: landmhair
このブログはL&M hairのブログ【ソルトシの日記】から2008年05月04日(日)のブログを転載してます。

シャンプーの分析2
さて、今回は添加剤について説明したいと思います。
その前に、皆様に確認したいことがあります。
よく[無添加]と書かれていることがありますが、一体何が無添加かご存知ですか?

無添加とは…正式には【旧表示指定成分無添加】が正しく、旧表示指定成分とは、2001年3月まで、表示が義務づけられていた指定成分のこと。化粧品に含まれる化学薬品の中で、厚生省が指定したアレルギーや皮膚障害を起こす可能性の高い成分を『旧表示指定成分』といいその成分は全部で102種類あります。2001年4月からは、全成分表示が義務化され旧表示指定成分という言葉が使われています。

上記に、正式には…と書いたのは、現在[無添加]と記載されているものは、パラベン(保存料)無添加・香料無添加・着色料無添加などきちんとした無添加ではない事が多いので、無添加だけで良いものと判断するのは間違っていると思います。
また、旧表示指定成分無添加の製品が必ずいいものかというと、それも一概に言えないのです。
例えば、旧表示指定成分の中のある成分は、現在きわめて安全な成分であると変更になったものもあります。
それどころか、旧指定成分に入っていないものが、実は危険な場合もあるのです。

それでは、添加物とは一体どうゆうモノかというと…前回記載した【界面活性剤】・【油性原料】・【保湿剤】・【植物抽出エキス】・【キレート剤】・【防腐剤】・【ph(ペーハー)調整剤】・【香料】・【着色料】・などがあります。

このように、多種多様なものが配合されてシャンプーやトリートメントが作られるのです。
そして、今回はL&M hairのオススメの成分を紹介したいと思います。
※良い成分は日々開発・商品化していますので、このブログの内容も変更していくことがあります。

【PPT】分子量…数百から数万
・加水分解ケラチン
・加水分解コラーゲン
・加水分解シルク
・加水分解コンキオリン
・加水分解大豆タンパクなど…

【カチオン化】俗称:ダメージセンサー
・ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン
・ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン
・ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解シルクなど…

【シリル化】別名:ヒートPPT
・(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン
・(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン
・(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解シルクなど…

【アルキルカチオン化】
・ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン
※分子量20,000~40,000の高分子ケラチン

◎プロティーキュート
・プロティーキュートは、γケラトース3種類(Hガンマ・Cガンマ12・Cガンマ)とαケラトース2種類(Uアルファ・Cアルファ)の5種類の毛髪補修効果の高い高分子ケラチンです。
特に、Cガンマ12は補修力が最高レベルの原料です。
上記のラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチンはCガンマ12のことです。
詳しくは◎プロティーキュートをクリックしてください。

・ケラテック[表示名:ケラチン]
※加水分解されていない特殊なケラチン。分子量40,000~60,000

【脂質系】
・ペリセア(ジラウロイルグルタミン酸リシンNa)
・リピジュア(ポリクオタリウム-51・ポリクオタリウム-61・ポリクオタリウム-64・ポリクオタリウム-65)
※ヒアルロン酸の約2倍の保湿力を持っている脂質です。
※L&M hairで使用しているものは毛髪用のポリクオタリウム-64(分子量約60万)
・ナノCMC(ナノリポソーム)…DDS(ドラッグデリバリーシステム)の事。
最新のナノテクノロジーで有効成分(L&M hairの場合は、18-MEA・コレステロール・セラミド)をナノリポソーム(極小のカプセル)化して必要な場所に浸透させる技術。

【キトサン誘導体】
・カルボキシメチルキトサンサクシナミド(分子量:約30万)
・ヒドロキシプロピルキトサン(キトフィルマー(分子量約45万):キトフィルマーHV[高濃度タイプ]分子量約90万)

【ヒアルロン酸誘導体】
・アセチルヒアルロン酸
・ヒドロキシプロピルヒアルロン酸

【尿素誘導体】
・ヒドロキシエチルウレア

【ヘアケア用植物エキス】
・ローズマリーエキス

【抗炎症誘導体】
・グリチルリチン酸ジカリウム

【カチオン化セルロース】
・ポリクオタリウム-10(分子量約50万)

【アミノ酸誘導体】
・ポリ-γ-グルタミン酸
・ポリアスパラギン酸

【NMF】
・プロデュー400・500
・PCA-Na

【ph調整剤】
・リンゴ酸
※基本的にクエン酸が使用されますが、リンゴ酸は毛髪内部の空洞を補正してくれる役割がありますので、ここではオススメしています。
・グリコール酸
※リンゴ酸&グリコール酸は毛髪に付着したミネラル分(カルシウム・マグネシウムなど)を除去したくれます。その際、除去力はグリコール酸のほうが上です。

【架橋材】
・ヘマチン(グロスフィリン)
・ポリアミドエピクロルヒドリン

【フッ素】
・パーフルオロポリメチルイソプロピル

【ヒトオリゴペプチド系】
※ヒトオリゴペプチド-数字で表示されている。EGFで有名になったのはヒトオリゴペプチドー1

【アミノペプチド系】
・アルジルリン…表示名称:アセチルヘキサペプチド-3
※塗るボトックスで有名になった成分

・マトリキシル…表示名称:パルミトイルペンタペプチド-4(旧表示:パルミトイルペンタペルチド-3)

【金属ナノコロイド】
・プラチナ(白金)
・金
・銀
※プラチナはナノコロイドのプラチナで、よくD社の健康食品で宣伝しているものが有名だと思います。抗酸化性が強いのでしわや育毛などのアンチエイジング効果が期待されています。
髪に入ると金属ですので吸着されやすく、プラスの電荷があるので泥パックのように髪もしっかりするとは思いますが、パーマには影響があるかもしれません。キレート等の問題があります。
ただ、非常に高価な薬品で、あまり配合していないと思いますので、心配するほどではないと思います。


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