7日から9日まで金沢で開催された日本形成外科学会に出席してきました。2日目の夕方に金沢城の境内の屋外会場で懇親会が行われました。天気は快晴で気持ち良かったのにかなり寒かったです。
肝心の学会ですが、初日から最後まで会場から外に出ることなくどっぷりと学会に浸ってきました。
初日は、最近、岡山大学の乳腺外科と形成外科との連携でインプラントによる乳癌の術後再建手術が増えているので、まず乳房のセッションで豊胸や乳癌の手術後の再建の発表を聞きました。様々な再建方法があるのですが、まだまだ議論が必要な分野で今後も興味深い発表が出てくると思います。
2日目は朝から美容のセッションに参加して色々な美容治療の発表を聞きました。二重手術の腫れない工夫の発表があり、早速実践しようと思います。お昼のランチョンセミナーは私が司会の役で、キュテラ社の「若返り治療の技と術」というテーマで‘レーザー・光治療の複合アプローチがもたらす美容効果’と‘新しいフィラー(レディエッセ)の注入のこつ’という2演題の発表がありました。レディエッセはなじみの良い優れた皮膚充填剤ですが、顔の輪郭形成では注入量が多すぎたりデザインのミスなどのトラブル例についても言及があり、きちんとした解剖学的知識のない医師の安易な治療には注意が必要だということも述べられていました。午後のセミナーでは炭酸ガスフラクショナルレーザーによる美肌治療の発表がありました。現在、日韓米の多くの会社からフラクショナルレーザーが出ていますが、美肌治療からニキビ跡治療にある程度の評価が出てきています。治療目的に合わせた適切な治療ができれば良い機械だと思いますが、やはり思ったよりダウンタイムが長いのがネックになっているようです。
3日目は美容とレーザーのセッションに参加しました。美容では川添先生のセルリバイブジータの改良法やフェイスリフトの工夫、超音波によるリフト治療など新しい知識を得ることができました。レーザーのセッションは発表の内容もさほど目新しいものはなく、いつも質問ばかりしているのですが今回は1回質問したのみでおとなしくしていました。それでも血管腫の治療など今後の治療に役立つ内容は所々にあり、しっかり勉強になりました。
展示してある機械ではあまり目新しいものはありませんでしたが、ルミナス社製の新しい脱毛レーザーがほとんど痛みがないのというので興味を引かれました。
ざっと今回の学会報告ですが、美容部門だけではなくいつもは会えないたくさんの形成外科の先生方と交流していろいろな刺激をいただきました。2日目の夜には川崎医科大学時代の恩師である、現東大医学部形成外科教授の光嶋勲先生と久しぶりに世界の最先端マイクロサージャリー談義に花を咲かせました。また、レーザー治療では世界的に活躍されている東京女子医科大学の河野太郎先生に今年中に岡山で講演をしていただくことになりました。これからもどんどん学会やセミナーに参加してさらに勉強していきたいと思います。

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