このブログはL&M hairのブログ【ソルトシの日記】から2007年06月19日(火)のブログを転載してます。


さて、合成界面活性剤(ラウリル硫酸Na・ラウレス硫酸Naなど)・シリコン(ジメチコン・シクロペンタシロキサンなど)に続いて注意しなければいけないホームケアの落とし穴は…

【せっけん[石鹸]】です!!

なぜ石鹸!?
昔からある物で、自然や天然な感じのする物で、無添加などとにかく肌によさそうなものなのに…なぜ?っと、思った人も多いと思います。

石鹸とは…
※石鹸用素地・カリ石鹸用素地・○○酸Na(○○はオレイン酸などの脂肪酸)など…

よくシャンプーなどの合成界面活性剤は危険、シャンプーは天然のせっけんやせっけんシャンプーなら安全、っと思っている方もおられますが、せっけんも脂肪酸とアルカリ金属を化学反応で合成されたアニオン界面活性剤なのです。
合成界面活性剤で危険なのは、上記のラウリル硫酸Na・ラウレス硫酸Naなどの旧表示指定成分のモノで、刺激に関してもせっけんよりもアミノ酸系の界面活性剤のほうがはるかに少ないのです。
また、せっけんはアルカリ性です。身体の皮膚の場合はせっけんで洗っても、一時的にアルカリにph(ペーハー)は傾きますが、皮膚の中和作用が働き再び正常なph(ペーハー)の弱酸性に戻ります。
しかし、髪の場合はアルカリに傾けると髪の表面のキューティクル(魚のウロコ・屋根の瓦などのように幾重にもかさなって髪の内部を守っている部分)が開きます。酸性(クエン酸など…)のリンスなどをつけない限り戻りません。
つまり、せっけんシャンプーで髪を洗うと洗っている間はキューティクルが開いてしまうので、髪の内部のたんぱく質などが流出しやすい状態になります。特に、カラーやパーマをされている方は、カラーの褪色やパーマのダレにつながるのです。
また、せっけんシャンプーは水に含まれるカルシウムなどの金属イオンと反応して金属せっけん…つまり、【せっけんカス】ができるのです。この金属せっけんは簡単には分解されないので蓄積しやすいのです。とくに、カルシウムなどが豊富に含まれる井戸水や海外のいわゆる硬水と呼ばれるものはよりせっけんカスができやすいのです。
せっけんカスがたまると、ベターっとした質感になり動きがつきにくくなります。昔の重いスタイルに対しては良いのかもしれませんが、今の動きのあるスタイルに対しては疑問を感じます。ただ、質感の問題なのでクセ毛の方がそのベターっとした感じでクセがおさまったと感じるなど、個人によって質感の好みがあるので深くは問いませんが…。
また、せっけんカスのせいでカラーの染まりやパーマのかかりがムラになるなど、やはり問題になる面もあります。
とくに、せっけんカスがかなり蓄積していて、さらに、パーマをかける場合スタイリストは気をつけなければならないことがあります。
それは、チオグリコール酸カルシウムです。
金属せっけんは脂肪酸とカルシウムが反応した脂肪酸カルシウムです。
そして、L&M hairでは、使う場面がほとんど無いのですが(詳しくは【シンカ】をご参照ください)強いパーマをかけるときに使う薬剤はチオグリコール酸です。このチオグリコール酸がカルシウムと反応するとチオグリコール酸カルシウムになるのですが、なんと…昔の除毛剤に使われていたモノに変化するのです。こうゆう化学反応を何も考えない・何も知らないでは問題だと思います(これは一般ではなくサロン・スタイリストに対してです)

せっけん・せっけんシャンプーの愛用者はたくさんおられるようです。
地球や環境に優しい・アミノ酸などにアレルギー反応がでる・昔から自分で作って気に入っているなど…人によってこだわって使っている事は大変良いことだと思います。
しかし、何も考えないで単純に石鹸だけが良い、界面活性剤が悪い。っといった【偏った自然派志向の考え】は問題だと思います。


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