2009年 5月の記事一覧

09年05月29日 10時52分16秒
Posted by: therapit
 先日、所用で某総合病院に出かけた。
いつものとおり、休憩室や廊下の展示場所で病院や市が行っている健康セミナーや、講習会のテキストや記事に目を通そうと思った。
この日はめずらしく目新しい綺麗な冊子が積まれていて、表紙には良く見かける「無料、どうぞご自由にお持ち下さい」の文字があり、いわゆる「フリー・マガジン」。
 健康や医療に関する解説があり、その後にそれに関する健康食品やサプリメントの広告が満載という例のパターンのもの。

 掲載されている食品や材料をざっと見てみると・・・黒糖バナナ黒酢、DHA、EPA、サメ生肝油、スクワレン、オメガ3脂肪酸、ベータグルカン、グルコサミン、ラクトフェリン、コラーゲン・・・・などなど。
 今話題の名前が並んでいて、これらの効果・効用の解説が一見科学的ではあるが、相変わらずの「針小棒大」で・・・。

 私がよくチェックしている独立行政法人「国立健康・栄養研究所」のホームページの中の「健康食品の安全性有効性情報」では、これらの材料は・・・
「ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない」、「○○薬との併用でおそらく有効と思われる」、「適切に用いれば経口摂取でおそらく安全と思われるが、妊娠中・授乳中の使用は避けるべき」、「食事以外から一度に過剰摂取するときは注意が必要」・・・
などと、慎重な表現になっている。

 「こんな実験結果も出ています。」程度のもので、必ずしもヒトを対象にして科学的・医学的に実験検証されていない(例えば医薬品で行われる2重盲検ランダム化比較試験などされていない)ものばかりであることをキチンと認識しておく必要がある。

  時間つぶしで見るフリー・マガジンとは言っても、病院に置かれていればそれなりに信頼できる内容と患者さんは思ってしまうのではないでしょうかね・・・あきらかに疑似科学に属する誇大広告満載のこのようなフリーマガジンは病院側でちゃんとチェックして排除すべきではないでしょうか・・・。
フリーマガジンが何たるものかを理解しているヒトばかりではないのですから・・・「なんでこんな良い本がただなの!?」と不思議がり、かつ有り難がっているおばあちゃんもいるのですから。

 健康食品(健康補助食品)はほんとに要注意です。
「食べました」、「効きました」、「治りました」的表現には、眉に唾をつける必要があります。ほんとうに効くなら医薬品とすべきで、ただし、そのためには医学的エビデンス(効用の科学的な実証)が必要であり、実験検証のためには、莫大な費用と時間がかかります。
 健康(補助)食品には十分な科学的エビデンスは必要ないのです。
どこかの学者が実験した結果「こんな効果があるらしい、ただしラットの実験で、大量に食べさせた場合・・・」なんていうのを、あたかもヒトに大きな効果があったように宣伝していたりします。

 宣伝のうたい文句は、こんな症状の人がこんなに良くなった、こんなに効果があった・・・癌に効いた・・たぐいの経験談ばかり(ゴーストライターの捏造が多い)ですからね。いわゆるバイブル本を使った違法商法もはびこっています。

 ダイエットのための中国茶で死亡した人が出たのは大分前ですが、新奇なものを試すなら命がけの覚悟が必要ですね。
 ヒトは大昔からそうやって試行錯誤を重ねて、多くの犠牲者の下に毒薬と良薬を選別してきた訳ですが、かといって何も自分から積極的にそんな実験に協力する必要はありませんね。

09年05月28日 14時11分27秒
Posted by: therapit
 5年前(年齢53歳時)の体重が約71kg、瞬間風速では72kgで、身長171cmの私としては今後生活習慣病の恐れが無きにしもあらずと思い、多少努力して、昨年はじめまで69kg程度を維持してきた。

 最近は、やれ「特定検診」だ「特定保険指導」だ、とメタボリック症候群の予防について世間でいろいろ言われるようになってきて、患者さんからもダイエットのことに関して質問されることも多くなってきたので、健康について指導する側の人間がメタボでは話にならんと思い、チョッと真面目にダイエットしてみようかと思いたったのが昨年の春(約1年前)。
 
 以後、毎日風呂に入る前に体重を計ることから始めて・・・・運動は毎日の仕事を通じてほどほど出来ていると考え、エアロビクスや筋トレなどは特にしないことにして、食事だけに気を配ることにした。
 
 夕食は元々妻が野菜中心で作ってくれているので、特に気にせず今まで通り食べ、朝と昼食に気をつけることにした。基本は・・・元々朝食を抜くことが多かったので、朝は抜かないで、ただし、しっかりは食べない(コーヒーとチョッとしたパン1切れほど)ことにし、昼食はそれまではコンビ弁当や近くの食堂で食べていたのを止めて、スーパーで買ってきた、ニンジン、まいたけ、ブロッコリー、パセリ・・・などの季節の野菜を自分でザク切りして電子レンジでチンし、エクストラバージンのオリーブオイルとりんご酢をドレッシングに使った温野菜のサラダ。それに、自分で作ったショウガの甘酢漬けなどと少しのシリアルとした。

 たまにはコンビに弁当を食べる時もあったが・・・あまり細かいことは気にしないことにし、食べたい時は食べる、ただし食べ過ぎないこと。加えて、週1の休みは3~4時間は外出(街歩き散歩)する、という生活を始めた。
 BMI(ボディ・マス・インデックス)=22が理想なので、身長171cmの私は、22x1.71x1.71=64.3kgが理想体重なので、取りあえず64kgを目標にした。

結果、約6ヶ月でー5kg減量、69kgから64kgとなり、目標達成!!!。

 それから6ヶ月経過した現在は、65kgを行ったり来たりしている。
比較的簡単に目標を達成してしまったせいで、少し管理レベルが落ちたと反省しているが、どんな食べ方をすれば、どれだけ体重が増えるかが分かったので、いっぱい食べた翌日は少し減らすといった、自己管理ができるようになっている。

 ダイエットで気をつけるのは、身体に対するカロリーのin/outの収支を黒字にしなければ良いということだけ。黒字にすれば太る、赤字にすれば痩せるという至って明快な法則で、これさえ頭において、食事を管理・コントロールすればOK.

 過食の習慣はそのままで、運動だけでカロリーを消費しようとしても実際は困難です。
日本だけで異常なブームになっていたビリーズ・ブートキャンプは今いずこ・・・です。あんなハードな運動が続けられる訳がありません。
 燃焼効率を上げるとかいうサプリメント類も基本は運動しなければ何にもならない訳で、脂肪の分解を促進するだけで、消費を促進するとはどこにも書いてありませんので、それに頼るのも無駄ですね。

 もともと、「○○を食べて痩せる・・・」式のダイエットなんて、考えてみれば変なのが分かりますね。何を食べるかではなくて、何を食べないかが重要なのです。今食べたり飲んだりしているものの内、何をどれだけ減らせば良いかを考えれば良いのです。
食べなければ痩せるのです。飲まなければ痩せるのです。
毎日適当に身体を動かして、時間をかけて摂取カロリーを減らしていくのが現実的なダイエット法ですね。フィットネスクラブに行く必要なんてない。歩けば良いのです。
「身体を自分の管理・コントール下に置く」ということが健康のためにも美容のためにも大切なのです。

 私のダイエット結果では、仕事でも街歩き散歩でも特に体力の低下は感じないし、握力も53kgを維持できているし、趣味の居合道の練習でも力が落ちた感じはなくて、むしろスピードが出てきたかな、ということで全てOKです。なによりも顎から頚にかけての線がしっかり出てきて、2重顎が解消できたのがいい感じかな。

 今後、この体重を維持していく楽しみができましたが、身体は細いままで、筋力と持久力をアップする(今はやりの細マッチョかな?)のが、今年還暦を迎えるにあたっての目標です。

09年05月26日 15時58分45秒
Posted by: therapit
 患者さんから良く出る質問。
「膝が痛くて・・・、整形外科で軟骨が磨り減っているといわれたので、テレビで良く宣伝しているコラーゲンを飲み始めたのですが、コラーゲンは効きますか・・・?」

こんな時、私はこう答えています。

飲みはじめてから3ヶ月以上経っている場合には・・・、
「効果のある無しは、ご自分で実感・評価するしかありません」、「飲み始めてから効果は実感していますか?」、「効果が有りそうだと思われるのであれば、もうしばらく続けて、さらに様子をみたら宜しいのでは無いでしょうか。」、「効果が実感できないのであれば、ご自分には合わないと思って、止めた方が良いと思います。」

飲み始めてすぐの場合には・・・
「効果のある無しは、ご自分で実感・評価するしかありません」、「3ヶ月続けてみて、効果の有り無しを判断されては如何ですか。」

実は、コラーゲンの効果には別にチャンとした説明があって、受け止める患者さんによっては、以下のような説明を行っています・・・ただし注意深く!!。

1、コラーゲンは人(動物)の体内で合成される繊維状の蛋白質の一種で、皮膚、骨、軟骨、腱などの結合組織の主成分で、ほとんど全ての臓器や器官に含まれています。

2、コラーゲンは多数のアミノ酸が結合した、極めて大きな高分子(簡単に言えば粒子)ですので、皮膚から浸透して体内に入ることも、食べて腸壁から吸収されることもありません。皮膚がコラーゲンを透過するとしたら、身の回りの有害物質のほとんどは皮膚を透過して体内に入ってしまい、大変なことになってしまいます。

3、他の蛋白質と同様に、飲食されたコラーゲンはアミノ酸に一旦分解されることにより、腸壁から吸収されるのですが、一旦分解されたアミノ酸を材料にしてコラーゲンが再合成される保証はどこにもありません。

4、つまり、コラーゲンを添加した飲料を飲んでも、フカヒレを食べても、手羽先を食べても、コラーゲンの合成が促されることは無いのです。

5、身体の中で生成されない「必須アミノ酸」を充分含む蛋白質が「良質の蛋白質」ですが、コラーゲンは構成されるアミノ酸の種類が特殊で、動物性蛋白質の中では例外的に良質でない蛋白質なのです。
 蛋白質を食べると言うことは、体内で合成される材料となるアミノ酸を供給することであって、ことさらコラーゲンを食べる意味はないのです。普通の魚や肉で良いのです。

6、なお、コラーゲン合成の過程ではアスコルビン酸(ビタミンCです)が必要になりますので、なんのことはない、焼き魚にレモンを絞って食べた方が膝にもお肌にも良いのです。「ビタミンCが不足すると壊血病になる」ということは皆が知っていますが、これはコラーゲンの合成が損なわれたため血管がもろくなったためです。

6、お肌にハリや艶が出たり、ぽにょぽにょに成ったりするのは、コラーゲンの保湿(水)効果によるのであって、コラーゲンが皮膚から浸透して何らかの効果を発揮するということはありません。健全な角質層と水分(汗)と脂(皮脂)が美しく、バリヤー効果の高いお肌を作るのです。角質層を破壊しないこと、自律神経系の働きを正常に保つことが美肌作りの基本となります。

再び書きますが、以上の説明は、患者さん(お客さん)によって、よくよく注意しながらお話しする必要があります。薬と同じで、科学的にどうであろうと、「効くか、効かないか」はまた別の次元の問題で、もっと複雑です。
せっかく効いているものを、または効果に対する期待や希望を、ノーシーボ効果(逆活性プラシーボ反応)によって、打ち消してしまう必要はないからです。

09年05月25日 18時28分10秒
Posted by: therapit
 ジャンボ宝くじが発売されています。枚数は少ないけれども毎回買って、もう何年になるでしょうか。3,000円が2~3回当たっただけで、あとは何時も300円の当たりくじを数枚換金する結果となるのですが、懲りずにまた買ってしまいました。
 もし2億円が当たったら・・・まさに奇跡ですが、奇跡と呼ぶには毎回出る300人近くの当選者数は、「もしかしたら自分も・・・」の期待を抱かせるに充分な数で、その誘惑に負けてしまいます。

 フランスの南西部、ピレネー山脈の麓に、カトリック教の奇跡の聖地ルルドがあります。ヨーロッパに何度か出かけた私も、フランスはパリだけで、ルルドがどんな場所か分かりませんが、「ルルドの泉」に奇跡を求めて、世界各地から毎年500万人の巡礼が訪れるそうです。

 1858年にルルドに住む貧しい14歳の少女、ベルナデット・スビルーが村はずれの洞窟で聖母マリアを見たことから始まり、洞窟を掘ってできた泉に病気を癒す力があることが評判となって以来、現在まで巡礼が続いているのです。

 さて、現在までどれだけの奇跡が生まれたのでしょうか。
カトリック当局が、カトリック国際医師団が行う最新の診断装置や科学技術を駆使した調査結果などを基に、その治癒が奇跡であると認定した数は、1960年~2000年までの40年間で4人だけと言うことです。

 500万人/年x40年間=2億人の内の4人、と言うことは1/5千万 の確率で、この位になると奇跡と呼べるらしい。ところで、1862年以来でルルド聖地当局が正式に奇跡と認定した人は66人と言うことで、つまり近年では奇跡の起きる回数は極端に減ってきている訳です。

 これは、神様のご利益が少なくなってきたと言うよりは、医学、科学の進歩で、治癒のメカニズムが昔よりは解明されるようになってきて、これまで奇跡と見られていたようなことが、チャンと医学的に説明できるようになったためらしい。ところで、この間で「ルルドの泉に巡礼して病気が治った」と自己申告した人の数は6,700人にのぼるのだという。
 本人が「奇跡的に病気が治った」と思った内の1%が真の奇跡、すなわち神の恩寵であり、残りの99%は何らかの医学的理由がつけられる治癒(自然回復などを含む)であったと言うのである。
 
 病気になった時の第一選択肢として「ルルドの泉に行こう!」と思う人はまずいないだろう、いろいろ治療を受けてきたけれどなかなか回復しない人や、医学的にはもう手の施しようがないと言われた人、が行う「神頼み」的行為で、これだけの人たちが「治癒を自覚した」・・・と言うところこそ注目すべきで、人の治癒のメカニズムは未だ解明され尽くされてはいないのです。

 いつまでも健康で美しく生きたいと誰もが思っています。
この科学・技術の進歩した現代でも、奇跡といわれるものが存在しています。
人の心身のメカニズムは未だ未知の領域にあり、小宇宙と言われる神秘の世界がそこにはあります。
いつまでも健康で美しくありたいという、希望と目標を持ち、もうすこし自分の身体に関心を向ければ、あなたにも奇跡を起す可能性が生まれるのです。
それは宝くじに当たる確率よりは遥かに高い確率で起こるのではないでしょうか。

 
09年05月24日 19時14分30秒
Posted by: therapit
神奈川県三浦市南下浦町上宮田3259番3
鍼灸マッサージサロン・セラピット
喜多 徹

yazikita@cocoa.plala.or.jp
TELFAX:046-887-4423

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