ジャンボ宝くじが発売されています。枚数は少ないけれども毎回買って、もう何年になるでしょうか。3,000円が2~3回当たっただけで、あとは何時も300円の当たりくじを数枚換金する結果となるのですが、懲りずにまた買ってしまいました。
 もし2億円が当たったら・・・まさに奇跡ですが、奇跡と呼ぶには毎回出る300人近くの当選者数は、「もしかしたら自分も・・・」の期待を抱かせるに充分な数で、その誘惑に負けてしまいます。

 フランスの南西部、ピレネー山脈の麓に、カトリック教の奇跡の聖地ルルドがあります。ヨーロッパに何度か出かけた私も、フランスはパリだけで、ルルドがどんな場所か分かりませんが、「ルルドの泉」に奇跡を求めて、世界各地から毎年500万人の巡礼が訪れるそうです。

 1858年にルルドに住む貧しい14歳の少女、ベルナデット・スビルーが村はずれの洞窟で聖母マリアを見たことから始まり、洞窟を掘ってできた泉に病気を癒す力があることが評判となって以来、現在まで巡礼が続いているのです。

 さて、現在までどれだけの奇跡が生まれたのでしょうか。
カトリック当局が、カトリック国際医師団が行う最新の診断装置や科学技術を駆使した調査結果などを基に、その治癒が奇跡であると認定した数は、1960年~2000年までの40年間で4人だけと言うことです。

 500万人/年x40年間=2億人の内の4人、と言うことは1/5千万 の確率で、この位になると奇跡と呼べるらしい。ところで、1862年以来でルルド聖地当局が正式に奇跡と認定した人は66人と言うことで、つまり近年では奇跡の起きる回数は極端に減ってきている訳です。

 これは、神様のご利益が少なくなってきたと言うよりは、医学、科学の進歩で、治癒のメカニズムが昔よりは解明されるようになってきて、これまで奇跡と見られていたようなことが、チャンと医学的に説明できるようになったためらしい。ところで、この間で「ルルドの泉に巡礼して病気が治った」と自己申告した人の数は6,700人にのぼるのだという。
 本人が「奇跡的に病気が治った」と思った内の1%が真の奇跡、すなわち神の恩寵であり、残りの99%は何らかの医学的理由がつけられる治癒(自然回復などを含む)であったと言うのである。
 
 病気になった時の第一選択肢として「ルルドの泉に行こう!」と思う人はまずいないだろう、いろいろ治療を受けてきたけれどなかなか回復しない人や、医学的にはもう手の施しようがないと言われた人、が行う「神頼み」的行為で、これだけの人たちが「治癒を自覚した」・・・と言うところこそ注目すべきで、人の治癒のメカニズムは未だ解明され尽くされてはいないのです。

 いつまでも健康で美しく生きたいと誰もが思っています。
この科学・技術の進歩した現代でも、奇跡といわれるものが存在しています。
人の心身のメカニズムは未だ未知の領域にあり、小宇宙と言われる神秘の世界がそこにはあります。
いつまでも健康で美しくありたいという、希望と目標を持ち、もうすこし自分の身体に関心を向ければ、あなたにも奇跡を起す可能性が生まれるのです。
それは宝くじに当たる確率よりは遥かに高い確率で起こるのではないでしょうか。

 

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